概要
深大寺鬼燈まつり(ほおずきまつり)は、東京都調布市の深大寺で例年7月20日前後に営まれる夏の行事である。提灯に見立てたほおずきを境内や参道に並べ、精霊をお迎えする仏教行事として地域に根づいている。この祭りは、深大寺に祀られる深沙大王(じんじゃだいおう)と延命観音の縁日にちなむ行事として営まれており、参拝者がほおずきを求めて夏の無病息災を願う。
入場無料で、地元住民から観光客まで幅広い年代が訪れ、3日間で数千人規模の来場者がある。祭りは主に深大寺境内と参道を会場とし、ほおずき市のほか手作り市やパフォーマンスライブ、八観音巡りなどの多彩なイベントが同時開催される。新型コロナウイルス感染症の影響で2020年以降は祭り本体の開催が見送られており、近年は山門の「鬼燈ハッピーゲート」の設置とほおずきの販売が続けられている。最新の開催可否は公式サイトで確認すること。
歴史・由来
深大寺鬼燈まつりの日程は、深大寺に祀られている深沙大王と延命観音の縁日に由来する。深沙大王の縁日は毎月17日とされ、これに延命観音の縁日が続く。祭りはこの縁日に合わせて例年7月20日前後の3日間に営まれており、寺の信仰に根ざした夏の行事として位置づけられている。
ほおずきには古来、邪気を払う力があるとされ、盆の時期に先祖の精霊を迎えるための提灯の代わりとして用いられてきた。橙赤色の丸い実を提灯に見立て、茎に吊るして飾る風習は、日本各地の寺社で見られる。深大寺では特に、境内に安置される深沙大王(じんじゃだいおう)の縁日である17日と、延命観音の縁日である18日に合わせてほおずき市が開かれるようになった。
鬼燈まつりが現在の形で本格的に開催されるようになったのは、地域ボランティアによる「鬼燈まつり実行委員会」が立ち上げられた2009年からである。それ以前にもほおずきの販売は行われていたが、実行委員会の主催により手作り市や八観音巡り、地元物産展などのイベントが加わり、観光客を集める夏の一大イベントへと成長した。実行委員会は市民ボランティアで構成されており、その手作り感が祭りの温かみを生み出している。
2018年には深大寺鬼燈まつりが10周年を迎え、記念企画として深大寺そばのサービスが行われた。この年は「ゲゲゲの鬼太郎」ブームも追い風となり、多くの観光客が訪れ、用意したほおずきの鉢売りや枝売りが完売する賑わいを見せた。また、例年7月13日頃から8月15日頃までは、山門に「鬼燈ハッピーゲート」が設置され、参道を彩る。
見どころ
ほおずき市 ほおずき市では、鉢植えや枝付きのほおずきが販売される。鉢植えにはかご・風鈴・短冊が付属し、600鉢程度が用意される。価格は浅草寺のほおずき市より手頃で、市民ボランティアの運営により良心的な価格設定が実現している。橙赤色の実が風に揺れる様子は、盆提灯の代わりとして精霊を迎える祭礼の雰囲気を醸し出す。
手作り市 境内と参道では、布小物・アクセサリー・ガラス工芸・木工・和小物などの手作り品を販売する「手づくり市」が開かれる。作り手本人が直接販売するため、作品に込められた想いを聞きながら買い物ができる。この市は「モノを通じて人と人との縁をつくる寺社マルシェ」として、地域の手工芸文化を支えている。
八観音めぐり 深大寺には八体の観音像が祀られており、それらをスタンプラリー形式で巡る「八観音めぐり」が開催される。各観音像の前でスタンプを集めると、記念品が授与される。観音像は深沙大王堂や本堂など境内の各所に安置され、巡礼の過程で深大寺の歴史や建築を体感できる。
深沙堂ライブ 深沙大王を祀る深沙堂では、ガムラン・シタール・タブラーなどの楽器演奏や踊り、トークライブなどのパフォーマンスが行われる。インドネシアやインドの伝統楽器の響きが、寺院の静寂な空間に異国情緒を添える。調布よさこい踊りも同時に披露され、伝統と現代の融合が祭りを盛り上げる。
地元物産展 大分県豊後高田市の観光物産展が併設され、夏そばの名産地ならではの蕎麦や特産品が販売される。深大寺そばと豊後高田のそばが、同じ「夏そば」の産地として縁結びしていることから実現した企画である。また、東日本大震災の被災地復興支援ブースも設けられ、福島県南相馬地域の物産が販売される。
食用ほおずきスイーツ 通常の観賞用ほおずきとは別に、食用ほおずきを使ったスイーツが限定販売される。食用ほおずきは甘酸っぱい味わいが特徴で、夏の暑さに疲れた体に清涼感を与える。スイーツは地元の菓子店が協力して製造し、祭り期間中だけの特別メニューとして提供される。
開催情報・アクセス
- 開催時期: 例年7月20日前後の3日間。最新の日程・実施可否は公式サイトで確認すること。
- 開催時間: 10時00分から18時30分まで(最終日は早じまいの場合あり)。
- 会場: 深大寺境内および参道(東京都調布市深大寺元町5-15-1)。
- 入場料: 無料(ほおずきの購入や手作り市での買い物は有料)。
- アクセス(電車): 京王線「調布駅」より京王バス「深大寺行き」で約15分、終点下車徒歩すぐ。またはJR中央線「三鷹駅」より小田急バス「深大寺行き」で約20分。
- アクセス(車): 中央自動車道「調布IC」から約10分。周辺に有料駐車場あり(台数に限りがあるため公共交通機関利用推奨)。
- 主催: 鬼燈まつり実行委員会(市民ボランティア組織)。後援:調布市観光協会。
- 天候による中止: 荒天時は中止または規模縮小の可能性あり。開催可否は当日朝に公式サイトで告知。
- 注意事項: 境内での喫煙禁止、ペットの同伴はリード必須、混雑時は一方通行規制あり。
周辺情報
深大寺は東京都調布市の西部に位置し、周囲には武蔵野の面影を残す豊かな自然が広がる。隣接する神代植物公園は東京都立の植物園で、バラ園や大温室、水生植物園など四季折々の花々が楽しめる。深大寺鬼燈まつりの時期には、園内で夏の花々(ひまわりや睡蓮など)が咲き誇り、参拝と合わせて一日中過ごすことができる。
深大寺参道には約20軒の蕎麦屋が軒を連ね、深大寺そばは関東有数の名物として知られる。祭り期間中は冷たいざるそばや夏限定の山かけそばが人気で、昼時には行列ができる店も多い。また、鬼太郎茶屋では「ゲゲゲの鬼太郎」をモチーフにしたキャラクタースイーツやグッズが販売され、子ども連れの家族に好評である。
深大寺周辺には、調布市深大寺自然の家や布多天神社など散策に適したスポットが点在する。布多天神社は深大寺から徒歩15分ほどの場所にあり、7月には茅の輪くぐりが行われる。鬼燈まつりの帰りに立ち寄る参拝客も多く、地域全体が夏祭りの雰囲気に包まれる。
関連情報
- 浅草寺の「ほおずき市」は毎年7月9日・10日に開催され、江戸時代から続く四万六千日の縁日行事として知られる。深大寺鬼燈まつりはこの浅草のほおずき市の縁から始まった行事とされるが、開催日は深沙大王の縁日である17日と延命観音の縁日である18日に合わせており、日程の根拠は異なる。
- 深大寺は奈良時代の天平5年(733年)に創建されたと伝えられ、本堂の本尊は阿弥陀如来像である。元三大師(慈恵大師)像は本堂とは別の元三大師堂に安置されている。鬼燈まつりはこの古刹の夏の風物詩として定着している。
- 深沙大王は深大寺の名称の由来となった神で、境内の深沙大王堂に祀られている。鬼燈まつりはこの深沙大王の縁日に合わせて開催される。
- 調布よさこい踊りは、調布市を拠点に活動するよさこいチームによるパフォーマンスで、鬼燈まつりの最終日に行われる。躍動感あふれる踊りが境内を盛り上げる。
- 新型コロナウイルス感染症の影響で2020年の鬼燈まつりは中止となり、以後も祭り本体の開催は見送られている。近年は「鬼燈ハッピーゲート」の設置とほおずきの販売が続けられており、最新の開催可否は公式サイトで確認すること。
- 深大寺鬼燈まつりに関する最新情報は、調布市観光協会公式サイト「調布観光ナビ」や鬼燈まつり実行委員会のWebサイトで確認できる。例年5月頃に詳細日程が発表される。
出典・関連リンク
- 📚 出典: Wikipedia, Wikidata (CC BY-SA 4.0)
- 🇯🇵 Wikipedia (日本語)
- 🔁 English version: Jindai-ji Hōzuki Festival