山あげ祭とは

山あげ祭(やまあげまつり)は、栃木県那須烏山市の八雲神社で毎年夏に行われる例大祭の奉納行事です。「山あげ」と呼ばれる、和紙を幾重にも貼り重ねた巨大な舞台背景を野外に組み立て、その前で歌舞伎舞踊「常磐津(ときわず)」を奉納する、全国的にも類を見ない移動式野外歌舞伎の祭りとして知られています。約460年の歴史を持ち、国の重要無形民俗文化財に指定されるとともに、ユネスコ無形文化遺産「山・鉾・屋台行事」のひとつにも登録されています。

歴史と由来

山あげ祭は、永禄3年(1560年)、烏山城主が八雲神社を勧請し、疫病退散と五穀豊穣を祈願したことに始まると伝えられます。当初は相撲や神楽などが奉納されていましたが、江戸時代に歌舞伎舞踊の奉納が加わり、それを彩る背景として「山あげ」が発展しました。「山」とは、烏山特産の那須楮(なすこうぞ)で漉いた和紙を貼り重ねた巨大な背景画のことで、これを「あげる(立てる)」ことから「山あげ」の名がつきました。地域の人々の手で約460年にわたり受け継がれてきた、誇り高き伝統行事です。

見どころ

最大の見どころは、巨大な「山」を野外に組み立て、その前で繰り広げられる野外歌舞伎舞踊です。高さ十数メートルにも及ぶ和紙の背景や、はりか山、館などの大道具が、わずかな時間で手際よく組み立てられ、町の通りが瞬く間に歌舞伎の舞台へと変貌する様は圧巻。その大舞台を背景に、優雅な常磐津の舞踊が奉納されます。場所を移動しながら何度も舞台を組み立て直す「移動式」であることも、この祭りならではの特徴。職人技と芸能が一体となった、見ごたえのある祭りです。

開催情報

例年夏(7月)の第4金曜日からの3日間、栃木県那須烏山市の市街地で開催されます。夏の例大祭の奉納行事であり、季節は夏。山あげと歌舞伎舞踊の上演場所・日程は年によって異なるため、那須烏山市および地元の保存会・観光協会の公式発表で事前に確認することをおすすめします。

アクセス

会場の那須烏山市街地へは、JR烏山線「烏山駅」から徒歩圏内です。宇都宮駅からJR烏山線を利用してアクセスできます。車の場合は周辺の駐車場を利用できますが、開催期間中は市街地で交通規制が敷かれるため、公共交通機関の利用がおすすめです。

周辺観光

那須烏山市は、那珂川の清流に恵まれた自然豊かな町で、鮎漁や、龍門の滝などの景勝地が知られます。山あげ祭の歴史と魅力を一年中体感できる「山あげ会館」では、ミニチュアの山あげ実演などを見学できます。那須高原や益子焼の里にも比較的近く、栃木の自然・歴史・文化を満喫できるエリア。夏の山あげ祭とあわせて、那珂川流域ののどかな魅力を楽しめます。


出典・関連リンク

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