概要

矢作神社秋の大祭(やはぎじんじゃあきのたいさい)は、愛知県岡崎市の矢作神社および矢作町界隈で毎年10月に行われる祭りである。江戸時代末期を起源とし、彫刻や漆塗りで飾られた祭礼山車の引き回しを中心とする。山車2台は岡崎市の有形民俗文化財に指定されている。

歴史と由来

江戸時代より、矢作の4つの集落——「東の切」(一区)、「東中の切」(二区)、「西中の切」(三区)、「上の切」(四区)——がそれぞれ山車を保有し、町曳きを競い合ってきた。かつては祭礼山車が矢作橋の西に集結し、日が暮れると提灯に火を入れて神社へくり込む宮入りが行われたと伝えられている。

時代の変化のなかで山車は数を減らした。明治末から大正初めにかけて「上の切」の山車は知多郡の山海(現・南知多町)へ売却され、現在も同地の八幡社の祭礼山車として保管されている。また1923年(大正12年)の愛知電気鉄道の路線開設により「東の切」の山車は巡行が困難となって刈谷へ売却され、のちに知立市へ再売却されて、現在は知立まつりで披露されている。こうして現在引き回されるのは二区・三区の2台となった。なお祭りはかつて7月中旬の夏祭りであったが、現在は10月に行われている。

見どころ

現存する2台の祭礼山車は、いずれも名工・大山庄八の作とされる。二区の山車は1814年(文化11年)に建造され、1840年(天保11年)に上山の建造と漆塗りが施された。彫り師は瀬川治助重光と伝えられる。三区の山車は天保10年頃の建造で、「楠木正成親子の別れ」「竹虎」「獅子の谷落し」「飛竜力神」などの精緻な彫刻を瀬川治助父子が手がけた。三区の山車は戦時中、飾りを桜井寺に疎開させて戦災を免れた経緯をもつ。重層構造の山車に施された彫刻や漆塗りは見ごたえがあり、神社境内の神楽殿では神子の舞も奉納される。

開催情報・アクセス

開催は毎年10月(かつては10月1日・2日)。会場は愛知県岡崎市矢作町の矢作神社および周辺。最寄りは名鉄名古屋本線の矢作橋駅。山車の引き回しは曜日の条件により行われない年もあり、旧東海道沿いの弥五騰神社や竊樹神社を経由する順路で巡行する。

周辺の見どころ

矢作は旧東海道の宿場・矢作橋で知られる歴史ある土地で、矢作川を渡る交通の要衝として栄えた。岡崎市は徳川家康ゆかりの岡崎城や八丁味噌の産地として知られ、城下町の歴史や東海道の面影をたどる観光と合わせて訪れることができる。

関連情報

  • 開催月: 10月(秋)
  • 都道府県: 愛知県(中部)
  • 会場: 矢作神社・矢作町界隈(岡崎市)
  • 起源: 江戸時代末期
  • 文化財: 二区・三区の祭礼山車(岡崎市有形民俗文化財)

出典・関連リンク

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