多度祭(たどまつり)は、三重県桑名市多度町の多度大社で毎年5月4日・5日に行われる例大祭である。なかでも、人馬一体となって急な崖を駆け上がる勇壮な神事「上げ馬神事(あげうましんじ)」で全国的に知られ、千年近い歴史を誇る三重県を代表する伝統行事の一つである。

祭りの最大の見どころである上げ馬神事は、若者が乗った馬が、約2メートルの絶壁を一気に駆け上がるという、息をのむほどの迫力に満ちた神事である。地元から選ばれた騎手たちが、馬とともに坂を駆け上り、崖を乗り越えられた回数や順番によって、その年の豊凶や物事の成り行きを占う。観衆の固唾をのむ視線が注がれるなか、馬が崖を越えた瞬間には大きな歓声と拍手が沸き起こる。

多度大社は、「お伊勢参らばお多度もかけよ、お多度かけねば片参り」と古くから謳われ、伊勢神宮とのゆかりも深い格式高い神社である。上げ馬神事は南北朝時代に起源を持つとされ、三重県の無形民俗文化財に指定されている。近年は馬の安全に配慮した運営の見直しも進められており、伝統の継承と動物福祉の両立を図りながら、北勢地方の春を彩る神事として受け継がれている。


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