概要

古川まつり(ふるかわまつり)は、宮城県大崎市古川で毎年夏に開催される、古川地域最大の夏祭りである。正式には「おおさき古川まつり」と呼ばれ、昭和22年(1947年)から続く歴史を持つ。色とりどりの美しい七夕飾りが大通りを彩り、勇壮な神輿(みこし)行列、地域に伝わる古川おどり、力強い古川まつり太鼓、そして花火大会など、多彩な行事が三日間にわたって繰り広げられる。市民や商店街が一体となって作り上げる祭りで、まちじゅうが祭り一色に染まり、大崎地域の内外から多くの人出でにぎわう。なお、岐阜県飛騨市で4月に行われる「古川祭(起し太鼓・屋台行事)」とは名称が似ているが、まったく別の祭りである。

歴史・由来

おおさき古川まつりの起源は、昭和22年(1947年)にさかのぼる。この年、昭和天皇が戦後の巡幸で古川を訪れた際、地元の商店街の人々が七夕飾りでお迎えしたことがきっかけとなり、以後、夏の祭りとして毎年続けられるようになったと伝えられている。戦後の混乱から立ち直ろうとする時期に、まちの人々が手づくりの飾りで歓迎の心を表したことが、現在まで続く大きな祭りへと発展した。

当初は七夕飾りを中心とした催しであったが、回を重ねるなかで、氏神を奉じる神輿行列が加わり、まつりの始まりを告げる太鼓を起源とする勇壮な太鼓、地域に伝わる踊り、そして夏の夜空を彩る花火など、さまざまな行事が組み合わさって今日の総合的な夏祭りの形が整っていった。2020年代には第77回を数えるなど、70年以上にわたって地域に受け継がれてきた、大崎市を代表する伝統行事である。商店街の歓迎の心から生まれたという由来は、この祭りが今も市民と商店が中心となって支えられていることと深く結びついている。

見どころ

最大の見どころは、大通りいっぱいに飾られる華やかな七夕飾りである。商店街や市民が趣向を凝らして手づくりした吹き流しが、風になびいて街並みを彩る様子は、おおさき古川まつりの象徴であり、仙台七夕にも通じる東北の七夕文化の豊かさを感じさせる。色鮮やかな飾りの下を歩くだけで、祭りの高揚感に包まれる。

そして、まちを練り歩く神輿行列は祭りに勇壮さを添える。担ぎ手たちの掛け声が響き、神輿が威勢よく進む様子は迫力満点である。地域に伝わる古川おどりでは、踊り手たちが連を組んで通りを踊り進み、見物客も一体となって盛り上がる。力強く打ち鳴らされる古川まつり太鼓は、祭りの始まりを告げる目覚まし太鼓に由来するとされ、その響きは祭りの気分を一気に高める。さらに、開催期間中には花火大会も行われ、夏の夜空を彩る花火が祭りに華を添える。

七夕飾りは、笹竹に大型の吹き流しやくす玉を結んだもので、各商店や団体が毎年新たに手づくりする。仙台七夕と同様、東北の七夕は旧暦に近い八月に行うのが特徴で、梅雨明け後の盛夏に色鮮やかな飾りが大通りに連なる光景は、地域に夏の到来を告げる風物詩となっている。飾りの出来栄えには各商店の創意工夫が表れ、それを見比べながら街を歩くのも祭りの楽しみの一つである。

開催情報・アクセス

おおさき古川まつりは、例年8月上旬に三日間にわたって開催される。近年の例では、初日(8月2日頃)に花火大会、続く二日間(8月3日・4日頃)に七夕飾りの展示や神輿行列、古川おどり、古川まつり太鼓などが行われる。会場は大崎市古川の中心市街地・商店街一帯である。

アクセスは、JR東北新幹線および東北本線・陸羽東線が乗り入れる古川駅が最寄りで、駅から会場の中心市街地までは徒歩圏内にある。新幹線が停車するため、仙台方面や首都圏からのアクセスもよい。祭り期間中は会場周辺で交通規制が敷かれ、大変混雑するため、公共交通機関の利用が便利である。最新の日程や各行事の時間、交通規制などの情報は、大崎市や地元の観光協会、祭りの実行委員会の公式発表で確認するとよい。

周辺の見どころ

大崎市は宮城県北部の中核都市で、豊かな自然と歴史に恵まれた地域である。市内には、ラムサール条約に登録された蕪栗沼(かぶくりぬま)があり、冬には多数のマガンが飛来する渡り鳥の名所として知られる。また、こけしの産地として名高い鳴子温泉郷が大崎市内にあり、深い渓谷美で知られる鳴子峡や、多彩な泉質の温泉群は、東北有数の観光地となっている。

古川の周辺は良質な米どころとしても知られ、「ささ系」の米づくりで名高い土地柄である。祭りとあわせて、地元の米や食を味わうのも楽しみの一つである。少し足をのばせば、世界遺産や歴史的名所を擁する平泉(岩手県)方面や、伊達政宗ゆかりの仙台へもアクセスしやすく、宮城・岩手の旅の拠点としても便利な立地である。

神輿行列・踊り・太鼓・花火という複数の行事が三日間に配置されるため、訪れる日によって異なる楽しみ方ができるのも特徴である。花火が夜空を染める初日、七夕飾りでにぎわう日中、踊りと太鼓が響く時間帯と、それぞれに見どころがあり、地元の人々は連日まちへ繰り出す。商店街の歓迎の心から生まれた一つの催しが、神事・芸能・花火を取り込みながら総合的な夏祭りへと育ち、世代を超えて市民の夏の中心行事として定着している様子がうかがえる。

関連情報

おおさき古川まつりの最新情報は、大崎市および地元の観光協会・祭り実行委員会の公式発表で確認できる。東北地方では、仙台七夕まつりをはじめ各地で七夕にちなんだ祭りが夏に開かれており、おおさき古川まつりもその七夕文化を受け継ぐ祭りの一つである。一方で、神輿・踊り・太鼓・花火を組み合わせた総合的な夏祭りとして発展してきた点に独自性があり、商店街の歓迎の心から生まれたという温かな由来とともに、地域に深く根ざした祭りとなっている。なお、岐阜県飛騨市の「古川祭」は、気多若宮神社の例祭として4月に行われる起し太鼓と屋台行事の祭り(ユネスコ無形文化遺産)で、宮城県大崎市のおおさき古川まつりとは由来も内容もまったく異なる別の祭りである点に注意したい。


出典・関連リンク

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