概要

長幡部神社(ながはたべじんじゃ)は、埼玉県児玉郡上里町(かみさとまち)に鎮座する古社で、長幡部連の祖神を祀る式内社級の格式を持つ神社である。律令期に朝廷の機織りを司った渡来系豪族・長幡部連と深い関わりを持ち、上里町の総鎮守として地域住民に篤く崇敬されてきた。

歴史

長幡部神社の創建年代は不詳ながら、『延喜式神名帳』(927年)に式内社として記載される武蔵国賀美郡(現・児玉郡)の古社である。長幡部連は古代の機織り技術を伝えた渡来系氏族で、朝廷に絹織物を貢納する役割を担っていた。神社の鎮座地である上里町一帯は、古代武蔵国北部の織物文化の中心地として栄え、長幡部連の祖神を祀ることで地域の繁栄と織物産業の隆盛を祈願してきた。中世以降は地域の鎮守として継承され、明治期の社格制度では郷社に列せられた。武蔵国の式内社の一座として、関東地方の古代史を語る重要な神社の一つである。

見どころ

社殿は近世以降の建築様式を残し、深い杜に囲まれた境内は古代の聖域の名残を感じさせる清浄な雰囲気をたたえる。境内には樹齢数百年の神木、地域の郷土史を語る石碑、長幡部連ゆかりの織物文化を象徴する文物が点在する。例祭は秋季10月で、地元氏子による神事と神楽奉納が行われ、武蔵国北部の古代信仰の名残を今に伝える。境内には織物産業の発展を祈願した絵馬・お守りなどが奉納されている。

開催情報・アクセス

JR高崎線神保原(じんぼはら)駅または上里町コミュニティバスで約10分。境内参拝は終日自由。秋季例祭は毎年10月に執り行われる。

周辺観光

上里町は埼玉県北西部に位置し、群馬県との県境に近い農業と歴史の町である。近隣には日本三大稲荷の一つ・桶川稲荷神社、本庄市の旧本庄商業銀行煉瓦倉庫、深谷市の渋沢栄一記念館、群馬県側の高崎観音山、富岡製糸場(世界遺産・近代の絹織物産業遺産)など、関東北部の歴史・文化遺産が集中する。長幡部連の織物伝統と、明治近代の富岡製糸場という時代を超えた絹文化のつながりを巡る旅も可能。


出典・関連リンク

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