三熊野神社大祭(みくまのじんじゃたいさい)は、静岡県掛川市横須賀地区の三熊野神社で毎年4月の第1金・土・日に行われる例祭である。遠州横須賀の城下町を舞台に、独特の「祢里(ねり)」と呼ばれる屋台が練り歩き、軽快な「遠州横須賀三社祭礼囃子(えんしゅうよこすかさんしゃさいれいばやし)」が町に響き渡る、遠州地方を代表する春の祭礼である。

この祭りの特徴は、江戸の「天下祭」の様式を色濃く伝える点にある。横須賀は江戸時代、横須賀藩の城下町として栄え、参勤交代などを通じて江戸の祭礼文化が伝わった。そのため祢里は、江戸型山車の流れをくむ一本柱万度型(いっぽんばしらまんどがた)という古い形式を今に残している。13台の祢里が、独特の節回しの祭囃子に合わせて城下町をゆっくりと巡行する様は風情豊かである。

また、この祭りには「地固め舞」「田遊び」といった、安産や五穀豊穣を祈願する神事芸能も伝わっている。三熊野神社は安産の神として信仰を集める古社であり、祭りには子授け・安産への祈りも込められている。遠州横須賀三社祭礼囃子は静岡県の無形民俗文化財に指定されており、城下町の面影を残す横須賀の町並みとともに、江戸文化の粋を今に伝える貴重な祭礼である。


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