犬山祭(いぬやままつり)は、愛知県犬山市で毎年4月に行われる針綱神社(はりつなじんじゃ)の祭礼で、1635年(寛永12年)に始まったとされる、約400年の歴史を誇る春の祭典である。国宝・犬山城を背景に、絢爛豪華な車山(やま)が城下町を練り歩く、東海地方屈指の山車祭りとして知られる。
祭りの主役は、「車山」と呼ばれる三層構造の壮麗な山車13輌である。最上層にはからくり人形が据えられ、各町が技を競って奉納する精巧なからくり芸が披露される。糸や仕掛けによって人形が舞い、文字を書き、変化する様は見る者を驚嘆させ、江戸時代から続く職人技の粋を今に伝えている。夜になると、各車山に365個もの提灯が灯され、闇に浮かぶ「夜車山(よやま)」の幻想的な光景が祭りのクライマックスを飾る。
犬山祭は、城下町・犬山の町衆の心意気と財力を背景に発展してきた。桜が咲き誇る城下を、提灯を揺らしながら進む車山の列は、まさに春の絵巻物である。2006年に国の重要無形民俗文化財に指定され、2016年には「山・鉾・屋台行事」の一つとしてユネスコ無形文化遺産に登録された。木曽川のほとり、国宝天守を仰ぐ城下町で繰り広げられるこの祭りは、尾張の春を代表する華やかな祭礼である。
出典・関連リンク
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