相馬野馬追(そうまのまおい)は、福島県相馬市および南相馬市を中心とする相馬地方で行われる、勇壮な馬の祭り・神事である。伝統的には毎年7月(近年は5月にも開催)に三日間にわたって繰り広げられ、甲冑をまとった数百騎の騎馬武者が大地を駆ける、戦国絵巻さながらの壮大な祭礼として知られる。

その起源は、平安時代に相馬氏の祖とされる平将門が、領内に放った野馬を敵兵に見立てて軍事訓練を行ったことに遡るとされ、千年以上の歴史を誇る。祭りは、騎馬武者が威風堂々と行進する「お行列」、数百騎が一斉に疾走し旗を競う「甲冑競馬」、そして打ち上げられた神旗を騎馬武者たちが奪い合う「神旗争奪戦(しんきそうだつせん)」という見どころで構成される。

なかでも神旗争奪戦は圧巻で、花火とともに天高く舞い上がる御神旗を目がけ、甲冑武者たちが砂塵を巻き上げて殺到する様は、観衆を熱狂させる。相馬野馬追は1952年に国の重要無形民俗文化財に指定された。武家の伝統と地域の誇りを受け継ぎ、東日本大震災という困難を乗り越えて開催され続けるこの祭りは、相馬の人々の不屈の精神と歴史への敬意を、今に力強く伝えている。


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