迎え火(むかえび)は、日本のお盆の時期に、あの世から帰ってくる祖先の霊(精霊)を家へ迎え入れるためにたく火である。全国各地で行われる年中行事で、一般的にはお盆の入りである8月13日(地域によっては7月13日)の夕刻に、家の門口や玄関先で営まれる。
迎え火には、帰ってくる先祖の霊が道に迷わないよう、目印として火を灯すという意味が込められている。麻の茎を乾燥させた「苧殻(おがら)」を、素焼きの皿である「焙烙(ほうろく)」の上で燃やすのが伝統的な作法とされる。立ち上る煙と炎を頼りに、祖霊はこの火を目印として、懐かしい我が家へと戻ってくると信じられている。
迎え火は、日本人の祖先を敬う心と、亡き人を温かく迎えようとする情愛を象徴する習わしである。地域や家庭によって作法はさまざまで、提灯を持ってお墓まで迎えに行く風習や、玄関に盆提灯を吊るす習わしも広く見られる。お盆の期間中、祖霊は家族とともに過ごし、盆明けには「送り火」によって再びあの世へと送り出される。迎え火と送り火は対をなす行事として、日本人の死生観と家族のつながりを今に伝えている。
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