日田祇園祭(ひたぎおんさい)は、大分県日田市で毎年7月に行われる祇園祭礼で、隈・竹田地区の隈八坂神社と豆田地区の豆田八阪神社を中心に営まれる、約300年の歴史を持つ伝統行事である。京都の祇園祭の流れを汲み、疫病退散と無病息災を祈願する夏の祭りとして、九州を代表する祇園祭の一つに数えられる。

祭りの主役は、勇壮華麗な山鉾(やまほこ)である。豪華な飾り幕や見送り幕で彩られた高さ10メートル前後の山鉾が、日田の城下町・天領の面影を残す町並みを巡行する。日中の「晩山(ばんやま)」では絢爛な飾りが映え、夜には数百個の提灯で飾られた「ヤマ」が灯りをともして練り歩く「集団顔見世」が行われ、闇に浮かぶ幻想的な光景が観衆を魅了する。

日田は江戸時代に幕府の直轄地「天領」として栄え、九州各地の物資が集まる商都であった。その豊かな経済力を背景に発展した山鉾の文化は、2016年に「日田祇園の曳山行事」として「山・鉾・屋台行事」の一つにユネスコ無形文化遺産へ登録された。水郷・日田の夏を彩るこの祭りは、九州内陸部の歴史と祭礼文化の豊かさを今に伝えている。


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