概要

葦稲葉神社(あしいなばじんじゃ)は、徳島県板野郡上板町神宅(かんやけ)に鎮座する式内社で、葦稲羽神(あしいなばのかみ)を主祭神として祀る古社である。『延喜式神名帳』に記載される阿波国板野郡の式内社の一座であり、稲作・五穀豊穣信仰の中心として地域住民に崇敬されてきた。

歴史

創建年代は不詳だが、『延喜式神名帳』(927年)に式内社として記載され、少なくとも平安時代以前に遡る古社であることが確認される。祭神の葦稲羽神は『古事記』神話に登場する大国主神と関わる神格と推定され、葦原と稲作を象徴する地母神的存在として崇敬された。阿波国(現徳島県)は古代から麻・藍・稲作で知られ、葦稲羽神への信仰は阿波の農耕文化の根幹に位置する。中世以降は地域の鎮守として存続し、明治期の社格制度では郷社に列せられた。

見どころ

社殿は近世以降の建築で、地元産の自然石を用いた素朴な石垣と簡素な拝殿が田園風景と調和する。境内には樹齢数百年とされる神木があり、農村信仰の素朴な雰囲気が残されている。例祭は秋季10月で、地元の氏子による神事と新穀奉納が行われ、現代でも農耕儀礼の伝統が継承されている。

開催情報・アクセス

JR徳島線板野駅から車・タクシーで約15分。境内参拝は終日自由。秋季例祭は毎年10月。

周辺観光

上板町・板野町一帯は阿波藍の本場として知られ、藍染体験施設や歴史的な藍商の屋敷が点在する。徳島県内では大塚国際美術館(鳴門市)、霊山寺をはじめとする四国八十八ヶ所霊場巡礼の起点が近く、信仰と工芸文化を一度に体験できる。


出典・関連リンク

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